住み替えや引越し、生活環境などの変化で、マンションを手放そうと思うことがあります。
ここではマンションを手放すことを考えている人のために、どうやって準備を進めればいいのかを、一番重要な「査定」を中心に解説していきます。

マンションの査定から売却までの流れ

まず、マンションを手放すまでの流れを確認しましょう。基本的には、以下のようになります。

imasia_13678080_S複数の不動産業者に連絡をする。

マンションを定してもらう(相場と最高額を知る)

仲介会社を決める(媒介契約を結ぶ)

売出価格を決める(査定価格とイコールではないので注意!)

販売

売買契約をして、引き渡し

最初に不動産業者に連絡をしてから、実際に引き渡しが完了するまでに要する期間は、1ヶ月から半年が一般的。
準備に手間取ると、もっと時間がかかることもあるので、十分な余裕をもってスタートするようにします。
焦りは禁物です。

マンション査定を複数の不動産業者に依頼する理由

imasia_14257757_Sマンションの売却額の査定を受ける際には、必ず複数の不動産業者に依頼します。
少し面倒な気もしますが、そこには重要なポイントがあります。

その第一が、「相場を知る」ということ。
実際に査定してもらうと驚く方も多いのですが、業者によって1割程度の違いが出るのが一般的です。
100円のものが1割安くなって90円になろうが、1割高くなって110円になろうが、それほど大きな差にはなりません。

ところがマンションの場合、売り出し額が3000万円であれば、1割は300万円です。
この金額は軽視できるものではありません。
複数の業者に査定してもらうことで、「これくらいの金額が妥当なんだな」といった相場を知ることができるのです。
これが損をしない売却を可能にします。

また「最高額を知る」のも重要なことのひとつ。
必ずしも、最高額を提示した仲介業者を選べばいいというものではないのですが、他の不動産業者との交渉に使ったり、売出価格の決定の時に参考にできます。

このような理由から、マンションの査定を依頼する際には、少なくとも4~6社くらいに連絡をするようにしてください。

複数社のマンション査定はネットを使えば簡単!

とはいえ、実際に複数の不動産業者を探して連絡し、マンションの条件を伝え、査定額を出してもらうのは簡単なことではありません。
不慣れなことが多い上、あれこれ聞かれているうちに面倒になり、「もうこの業者でいいかなぁ」と無用な妥協をしてしまうケースもあります。

このようにヤケになって損をしたり、時間的なロスをしないために、インターネットを利用することをお勧めします。

ntt例えばNTTが母体のHOME4Uというサイトでは、1回の条件入力で6社からの査定を集めることができます。

登録している不動産業者は500社もあるので、全国規模の大手から、地元に強い業者まで、さまざまなところを選べます。

→HOME4U公式サイト

HOME4Uのように歴史のあるところは信頼も厚く、マンション売却希望者が情報を開示する不動産業者を選べるようになっているので安心です。
マンション査定一括サイトを選ぶ際には、こういった点にも注意するようにしてください。


ie他に有名どころには、イエイというマンション査定サイトがあります。
最大6社の査定結果が即日分かるのでかなり重宝します。
今までに150万人が利用しているという実績も魅力。

→イエイ公式サイト

NTT主体のHOME4Uにせよイエイにせよ、こういったマンション査定サイトは、マンションを売却する際のスタンダードになっています。

一社一社査定を頼んでゆく手間が大幅に省けるのでかなり時間の節約になるので非常に重宝します。

仲介業者は、大手企業と地域密着の両方を狙う

imasia_17680399_S仲介業者を選ぶとき、「大手の方が高条件で売れるんじゃないか」と思う人もいますが、実はそうとは言い切れません。
なぜなら、不動産を探す人の中には、「地域内で物件を探したい」とか、「学区内で引っ越しをしたい」という人が多くいるからです。

確かに大手企業は販売力があり、それまでの売却実績も多くて百戦錬磨です。
広範囲に広告を出してもくれますが、必ずしもそれが有効とは限りません。

一方、地域密着型業者は、その地域内に独自のルートをもっている他、どんな些細な相談にも親身になってくれる傾向があります。

どちらがいいと一概に言えるものではありませんので、マンション査定を依頼する段階では、大手と地域密着型の両方の業者に連絡をするのが賢明です。

マンションの査定に影響するのはどんなこと?

マンションの査定にはさまざまな要因が影響します。
中には、自分達ではどうしようもないものもあれば、ちょっとしたことで好影響になるものもあります。

■立地

imasia_3045095_S最寄駅からの距離が近い方が査定額は高くなります。
また車移動が基本になっている地域では、敷地内の駐車場の有無や金額が影響します。

敷地内に借りられる駐車場がない場合、近隣に月極めで契約できるところがあるのかを調べておくようにします。

■周辺環境

imasia_13975445_Sマンションの近くに日常的な買い物をするスーパーや商店街があるか。

また学校や保育園が近くにあるかなども重要です。
幹線道路や線路の近くの場合、騒音が影響することもあります。

■マンションの状態や築年数

imasia_2867137_S基本的なこととして、1981年以前に建てられたマンションで、耐震工事をしていない物件は査定が非常に低くなります(この年に耐震基準が新しくなっています)。

古くても耐震工事をしてあるのであれば問題はありません。
ただし、新しいマンションほど査定額が高いのは当然です。

■保守やセキュリティ

imasia_15431412_Sマンションが一戸建てと違うのは、管理費や修繕積立金が徴収されることにあります。
これらがしっかり管理され、メンテナンスや大規模改修工事に使われている(または使われる予定がある)場合は査定額が上がります。
逆に管理がずさんで、メンテナンスが十分でない場合は、査定額が下がります。

■眺望や方角、階数

imasia_15166069_S物件が高層階にあるほど条件がよくなるほか、角部屋や南向きにベランダがある物件などは有利になります。

同じマンションでも、方角によって査定額が大きく変わることもあるのです。

■リフォームや修理

imasia_17019250_Sマンション全体ではなく、物件に対して個人でやったリフォームや機器類の入れ替えも影響することがあります。
これらの記録は、すぐに出せるように準備しておきます。

内容によっては査定には関係ないこともありますが、売出価格を決める際には重要な決め手となる可能性もあります。

査定額アップを狙ったリフォームは意味がない?

imasia_8234008_S少しでも高い査定額を算出してもらおうと、手放すことを決めてからリフォームをする人がいますが、これは必ずしも正しい判断ではありません。
例えば壁紙の張り替えや畳の入れ替え、柱の傷のメンテナンスなどに200万円かけたとしても、査定額が200万円以上アップすることは少ないからです。
つまり赤字ということです。

壁紙は売出の時に張り替えたり、購入者が好みに合わせてリフォームすることもあります。
また査定に大きな影響が出るのは、目に見えない部分(躯体や配管など)ですので、見た目のリフォームはあまり気にしなくてもいいでしょう。

もちろん、掃除ができていないのは問題です。

売出が決まったら、購入希望者が内覧に来ることも考え、整理整頓と掃除はしっかり行うようにしましょう。

マンション特有の査定法。「時点修正」とは?

マンションの査定を依頼すると、「時点修正」という単語を聞くことがあります。
大型マンションなどでは特に、耳にすることも多くあるようです。

これは、「1年前に同じマンションの同じ間取りの部屋が○○万円で売れたので、1年分マイナスして△△円になるのが妥当」とい考え方です。
実際の売出価格をベースに算出しているので、現実的な査定額がでてきます。

マンションは査定額が売出価格ではありません

査定条件を見て、「いい条件がない」と落胆した人もご安心を。
その理由は、査定額がそのまま売出価格になるわけではないからです。

売出価格は、媒介契約を交わした仲介業者と相談して決定します。内装がキレイとか、水回りのメンテナンス状況がよければ、査定額よりも高い価格で売り出すことも可能です。

逆に、査定額が高くても、物件の状態が悪ければ、売出価格を低めに設定しなければならないこともあります。

業者を査定額で決めるとドツボにはまります

imasia_11255357_Sさてここで、注意点をひとつ。
契約を取りたいがために、査定額を高めに伝える仲介業者が存在することを知っておいてください。
査定額だけを見て仲介業者を選んではいけないのはこのため。
また相場を知るのも、こういった無茶な業者を見極めるためです。

例えば、6社に査定をしてもらい、5社が2000万円前後の金額を提示したのに、1社だけ2500万円で提示することがあります。
ここで「高い金額で手放したい」と思うと、つい2500万円の業者を選ぶのが正解のように思います。

でも実際に売出価格を決定する時点で、「メンテナンス状態が悪いので、1800万円が妥当です。2500万円で売り出しても買い手がつきませんよ」と平気で言われることもあるので要注意。

「なぜその査定額なのか?実際のところ、売出価格はどれくらいになるのか?」をキチンと聞くようにしてください。

気になる手数料は?

マンションの査定額や売出価格が高くても、仲介業者に支払う仲介料が高いのでは意味がありません。
契約をする前に、その点もしっかり確認するようにします。

不動産取引の仲介は、成功報酬として手数料を支払うのが一般的です。
つまり、売買契約が成立したときにはじめて、不動産会社に仲介手数料を支払います。

この報酬額の上限は、法令で決められています。
ここでポイントとなるのは、上限であるということ。そのため業者によって報酬額に違いがあることがあります。

■仲介手数料の限度額(消費税が別途加算されます)

取引額 報酬額(税抜)
取引額200万円以下の金額 取引額の5%以内
取引額200万円を超え、400万円以下の金額 取引額の4%以内
取引額400万円を超える金額 取引額の3%以内

広告費用や案内料は請求されないのが基本です

imasia_17560288_S手数料の確認の際に、もうひとつ確認してもらいたいことがあります。
それが広告宣伝費です。

マンションの売手を探す場合、インターネット広告や折り込みチラシを活用することがありますが、どちらも広告宣伝費が発生します。
また購入希望者が内見を希望した場合の送迎にも費用がかかります。

そういった費用は売買契約成立後に支払われる手数料に含むのが基本です。
(もちろん売手が通常以上の広告宣伝を依頼したり、遠方まで呼び出したりといった、イレギュラーな対応をさせる場合は実費が発生します)

ところが、多量の広告の折り込みを依頼したわけでもないのに、「特別にやらないと……」などと言って請求するところもあるのです。
これは筋違いですので、「どういった活動で買い手を見つけるのか?その費用は誰が負担するのか?」をしっかり確認するようにしてください。

焦りは禁物。腰を据えて、じっくり待つつもりで

マンションを妥当な金額で手放すには、それなりの時間が必要となります。
中には1ヶ月程度で買い手がつくものもありますが、それは運がよかった特別な人の話と考え、気長に待つ姿勢が大切です。

あまりにも買い手の興味を引けない場合、売出価格の見直しも必要となります。
でもそれが妥当な見直しなのか、早く売ってしまって手数料を手にしたい仲介業者の都合なのかを見極めながら、じっくり時を待ってみてください。

そうすれば笑顔になれる売却が実現することでしょう。

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